小泉進次郎氏の独特な話し方、「小泉構文」が話題になって久しいです。
「今のままではいけないと思います。だからこそ、今のままではいけないと思っています」
といった言い回しは、多くの人にインパクトを与えました。
しかし、この特徴的な話し方には「元ネタ」があるのでは?とネット上でさまざまな憶測が飛び交っています。
今回は、小泉進次郎氏の話し方のルーツについて、複数の説を検証していきます。

小泉進次郎構文の元ネタと定義
小泉進次郎構文の元ネタは、2019年9月に開催された国連気候行動サミットでの発言が広く知られています。
当時、環境大臣だった小泉氏はこう語りました。

今のままではいけないと思います。
だからこそ、日本は今のままではいけないと思っています
この発言をきっかけに、ネット上で「小泉進次郎構文」という言葉が広まりました。
他にも元ネタとして挙げられるのは、嘉門達夫さんの1991年の楽曲「血液型別ハンバーガーショップ」です。
この曲には「あなたがチーズバーガーを注文するということは、つまりあなたが空腹ということですね」(3分15秒あたり)という歌詞があります。
リリース当時、小泉進次郎さんは10歳ほどで、この歌がブームとなっていた時代の影響を受けていた可能性もあるでしょう。
また、アニメ「めだかボックス」に登場する球磨川禊のセリフ「僕は悪くない。だって僕は悪くないんだから」も元ネタではないかという説もあります。
小泉進次郎構文の定義とは?


小泉進次郎構文とは、論理学的には「トートロジー」(重言)と呼ばれる修辞技法の一種です。
同語反復や同義語反復を用いることで、一見すると深い意味があるように感じさせながらも、実際には新しい情報を提供していない表現方法です。
小泉進次郎構文の主な特徴は以下の通りです。
- 当たり前のことを特別なことのように表現する
- 主張したいこと(同じ意味の単語)を繰り返す
- 「○○である。だからこそ○○である」という、実質的に進展のない言い回し
- ポエム風の表現
こうした表現は、分かりそうで分からない、共感を得ているようで得ていないという不思議な現象を生み出します。



なぜか「名言っぽい」って感じさせる魅力があるんだよなぁ
小泉進次郎構文の爆笑名言・迷言集


本人による小泉構文の傑作集
小泉進次郎さんが実際に発した名言(迷言)をいくつかご紹介します。
1.「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけない」
これは最も有名な小泉構文の一つです。
国連気候行動サミットでの発言で、「今のままではいけない」を繰り返すという典型的な小泉構文です。
2.「毎日でも食べたいということは、毎日でも食べているというわけではない」
ニューヨーク滞在中に「ステーキを毎日でも食べたい」と発言した後、記者から環境省のトップとしての見解を問われた際の返答です。
周囲の記者も思わず爆笑してしまったというエピソードが残っています。
3.「くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が」
2030年までの温室効果ガス削減目標についての質問に対する回答です。
女性アナウンサーが思わず「浮かんできた?」と聞き返したというエピソードも。
この「46」という数字の根拠については、地元神奈川県の市外局番「046」説や、乃木坂46説、4(しん)6(じろう)説など諸説あります。
ネット民による面白い小泉構文大喜利


小泉進次郎氏の独特な話し方に触発され、ネット上では「小泉構文」を模した大喜利が盛り上がっています。
- 「2月ってことは、あと1年でまた2月がくる、ということです」
- 「雪が積もるって事は、雪が降っているって事なんですよ」
- 「眠くない時って眠れないですよね」
- 「今月39歳の誕生日を迎える訳ですけれども、来年は40歳になるという事です」
- 「毎日寒いですよね。寒いってことは冬だからです」
- 「初対面の時思ったんだ。まるで…初めて会ったみたいだって」
- 「世界では1分に60秒時間が経過しているんですよね」
- 「明日祝日という事は、休日なんですね」
- 「日本の空港って日本でしか見かけないね」
- 「明日祝日という事は休日なんですね」
- 「夜景を見るなら、断然夜をオススメしますよ」
- 「鳴かぬなら、鳴くまで鳴かぬ、ホトトギス」
- 「私の父は小泉純一郎です。意外にこれ知られてない」
- 「お金払ったらタダでもらえたんですよ」
- 「30年後の未来は、 今から30年経つとやってくるんです」
- 「できっこないことに挑むのは、チャレンジングでいいじゃないですか」
- 「ハローワークに午後から行く予定、ということは無職なんですね」
- 「よっぽど強いと思う。 今、我々が持つべきは「発想」です」
- 「誕生日なんですね。私も誕生日に生まれたんです」
- 「年末年始。年の瀬。師走。こういう言葉を聞くたびにね、いつもこう思ってきました。もうすぐ新年だな、と」
- 「緊張して困る時は、全力でリラックスすればいいんだ」
- 「朝食は朝食べるに限ります。昼食は絶対にランチがいいですね」
- 「日本をJAPANに」
- 「日本を日本一に」
- 「毎日寒いですよね。寒いってことは冬だからです」
- 「明日から三連休なんですね。つまり3日間の連休、これはすごいことですよ。私はセクシーに過ごしたい」
- 「未成年飲酒なんて子供のすることですよ」
- 「このプレゼント、頂き物なんです」
- 「早くするにはスピードが大切です。 でも、ゆっくりすることも大切なんです」「課金するにはお金がかかります。 でも、お金をかけないと課金できないんです」
- 「伝えたからと言って、伝わったとは限らない」
- 「2月ってことは、あと1年でまた2月がくる、ということです。」
- 「3人家族でマスク2枚なら、1枚足りないんですよ。」
- 「毎日は日々のことです。 だからこそ、毎日は大切なんです」
- 「何事も一回やってみてください。次にやる時は二回目になりますから」
- 「両手で抱えると…手がふさがるんだよね」
- 「今日が誕生日ということは、 来年もまた誕生日が来るんです」
- 「誠実に答えないなんて、不誠実ですよ。」
- 「クリスマスが近づくと、 街がクリスマスっぽくなりますよね」
- 「赤を上げて、白を下げないとどうなると思いますか?」
- 「自分のターンが終了したとき、相手のターンになる」
- 「悲観的な考えしかできない1億2千万人より、将来を楽観する6千万人のほうが成功しそうだよね?」
これらはネット民の方々が小泉構文にのっとって作成した秀逸な作品です。
思わずクスッと笑ってしまうような絶妙な表現が特徴的です。
企業のPR広告にも使われる小泉構文


小泉構文の手法は、企業のPR広告でも活用されています。
その独特のリズムと覚えやすさから、マーケティングにも応用されているんです。
【河合塾】「今のままだと、今のままですよ!」
【ローソン】「毎週金曜日はフライデー!!」
「まるで桃みたいなピーチ&杏仁」
【マイナビ】「やるしかないから、やるしかない」
こうした広告表現は、思わず目を引き、記憶に残りやすいという効果があります。



当たり前じゃん!って言いたくなるものばかり!
小泉構文の作り方と魅力


小泉構文は小泉氏が発言したものと思っていたものが、実はネット民によって生まれたものも多いのです。
誰でも簡単に作ることができるのが、小泉構文のいいところ!
基本的には以下の3ステップで作れます。
1. 当たり前のことを言う
2. 「だからこそ」を付け加える
3. 1の内容を少し言い換えて繰り返す
1. 当たり前のことを言う
まずは、誰もが知っている事実や、疑問の余地のないことを選びます。
「空は青い」「時間は流れる」「水は低きに流れる」など、日常生活で当たり前すぎて意識しないようなことがベストです。
2. 「だからこそ」を付け加える
次に、1で選んだ文の後に「だからこそ」などの接続詞を付けます。
「空は青い。だからこそ、」「時間は流れる。だからこそ、」というように。
この「だからこそ」が小泉構文の要となる部分です。
3. 1の内容を少し言い換えて繰り返す
最後に、最初に言った内容を、少し表現を変えて繰り返します。
「空は青いです。だからこそ、私たちの頭上には青い空が広がっているのです」
「時間は流れています。だからこそ、私たちは時の流れの中で生きているのです」
このように、言葉を微妙に変えることで、新しい意味があるように聞こえる工夫をします。
名言と迷言の境界線


小泉進次郎氏の発言は、「名言」と「迷言」の境界線が曖昧です。
名言とは物事の本質をうまく捉えた言葉のことで、生きていく上で役立ったり、励まされたりする共感を呼ぶ言葉です。
一方、具体的な内容がなく、曖昧な印象を与えるものは「迷言」として扱われることが多いです。
例えば、2030年までの温室効果ガス削減目標について「おぼろげながら浮かんできた46という数字」という発言は、斬新ですが対策内容が見えづらく具体性に欠けています。
このように、表現の明確さが名言と迷言を分けるカギとなっているのかもしれません。
それでも、小泉進次郎氏の発言には独特の魅力があり、多くの人々を惹きつけています。
話が進んでいるようで進んでいなかったり、ちょっとポエムっぽかったりする不思議な言い方に、なんとなく「そうだよね」と納得してしまう不思議な魅力があるのです。
まとめ
今回は、小泉進次郎構文の元ネタと、おもしろ名言・迷言をまとめてご紹介しました。
小泉構文の元ネタとして、嘉門達夫の楽曲、小泉純一郎氏の影響、さらには漫画キャラクターの話し方など、さまざまな説が浮上しています。
実際のところ、進次郎氏自身が意識的に「小泉構文」を作り出したわけではないようです。
ただし、印象に残る話し方を意識するうちに、こうした独特のスタイルが確立されたのかもしれません。
今後も、小泉進次郎氏の発言がどのように進化するのか、引き続き注目していきたいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

